前回に引き続き、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するポジティブなニュースとして、北里大学が新たなCOVID-19治療薬候補『イベルメクチン』の治験を開始すると発表しました。
イベルメクチンは、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智先生(北里大学特別栄誉教授)が開発に貢献した薬で、抗寄生虫薬として日本でも処方されているものです。
もともとは動物用の駆虫薬として使用されていましたが、その後ヒトにも使用されるようになり、アフリカや東南アジアを中心に世界中で寄生虫感染症治療薬として用いられてきました。
さらに、RNAウイルスに対しての抗ウイルス活性を示すことも認められていることから、RNAウイルスである新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)にも有効である可能性が考えられており、オーストラリアの研究では「イベルメクチンがSARS-CoV-2の増殖を抑え、ウイルス数を減少させる可能性がある」ことが示されています。
また、「イベルメクチンを投与された患者の死亡率が、投与されていない患者の死亡率よりも低い」という報告もあります。
世界中で広く使用されてきたことで安全性に関してのデータは蓄積されているため、今後の治験でその効果が確認されることが期待されます。
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