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淺沼 晋

新型コロナウイルス感染症と薬②

更新日:2020年12月8日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はいまだ終息することなく、緊急事態宣言が5月31日まで延長されました。

いつまで続くか分からない状況の中での外出自粛や休校、在宅勤務など、今までと全く違う生活による心身の疲労もピークに達してきていることと思います。

そんな中、ポジティブな話題として、5月7日に政府より「新型コロナウイルス感染症の治療薬として『レムデシビル』を特例承認した」という発表がありました。



レムデシビルについては、以前のおくすり雑記帳『新型コロナウイルス感染症と薬』でも取り上げていますが、もともとエボラ出血熱を治療するための抗エボラウイルス薬として開発された薬で、RNAウイルに対して広く抗ウイルス活性を示すことから、新型コロナウイルスに対しても効果が期待できるとしてアメリカ主導で治験が進められてきました。


販売名は『ベクルリー点滴静注液100mg/ベクルリー点滴静注用100mg』で、本邦初のCOVID-19症治療薬の誕生となります。

ただし、薬の供給については開発企業であるギリアド・サイエンシズ社(本社:アメリカ)からの割り当てとなるため、全ての感染患者さんに使用できるだけの量が得られるわけではありません。

また、現時点では最適な用法・用量が定まっていない(承認後も治験を続けている状態)ことや、副作用として急性腎障害や肝機能障害があらわれる可能性があるため、重症化している患者さんへの使用に限られます。


それでも、重症化した患者さんの回復を助け、最前線で治療にあたってくれている医療機関の負担を軽減することができれば医療崩壊を食い止めることにもつながるため、今後のCOVID-19治療に一筋の光がさしたと言えます。



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