医療機関から発行された処方箋を薬局(保険薬局のことをいいます)に持っていった際、健康保険証の提示を求められたことがあるかと思います。
「医療機関でも見せたのに、また見せないといけないの?」と思う方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回は薬局で保険証の提示が必要なのかどうかについて取り上げたいと思います。
実際に法律ではどうなっているかというと、『保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則』の第3条では、
「保険薬局は、被保険者及び被保険者であつた者並びにこれらの者の被扶養者である患者(以下単に「患者」という。)から療養の給付を受けることを求められた場合には、その者の提出する処方箋が健康保険法(大正十一年法律第七十号。以下「法」という。)第六十三条第三項各号に掲げる病院又は診療所において健康保険の診療に従事している医師又は歯科医師(以下「保険医等」という。)が交付した処方箋であること及びその処方箋、法第三条第十三項に規定する電子資格確認又は患者の提出する被保険者証によつて療養の給付を受ける資格があることを確認しなければならない。」
となっています。
一方、『健康保険法施行規則』の第54条では、
「法第六十三条第三項 各号に掲げる薬局(以下「保険薬局等」という。)から薬剤の支給を受けようとする者は、保険医療機関等において、診療に従事する保険医又は医師若しくは歯科医師が交付した処方箋を当該保険薬局等に提出しなければならない。ただし、当該保険薬局等から被保険者証の提出を求められたときは、当該処方箋及び被保険者証を(被保険者が法第七十四条第一項第二号 又は第三号 の規定の適用を受けるときは、高齢受給者証を添えて)提出しなければならない。」
となっています。
よって、自分から提示する義務はありませんが、薬局で保険証の提示を求められた場合には提示する必要があります。
ちなみに、医療機関では『健康保険法施行規則』第53条や『保険医療機関及び保険医療養担当規則』第3条によって、保険証の提示が義務付けられています。
薬局と医療機関は別組織であること、保険証の期限が切れている場合や処方箋への保険番号の記載間違いなどもあるため、薬局では保険証の提示をお願いしています。
また、3月からオンライン資格確認という健康保険加入状況の確認方法もスタートしました。
これは、マイナンバーカードのICチップまたは健康保険証の記号番号等によって、その場で健康保険の加入状況が確認できるというものです。
薬局で保険証の提示を求められた際にはご協力いただけますよう、よろしくお願いいたします。
(参考:『健康保険法施行規則』『保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則』『保険医療機関及び保険医療養担当規則』)
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