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淺沼 晋

薬とフルーツジュース

今回は、薬とフルーツジュースとの飲み合わせについて取り上げたいと思います。


薬との飲み合わせが問題となるフルーツジュースで代表的なものといえば、グレープフルーツジュースです。



グレープフルーツジュースとの併用で注意が必要な薬には、血圧を下げるカルシウム拮抗薬(ニフェジピン、アムロジピンなど)やコレステロールを下げる薬(アトルバスタチン、ロスバスタチンなど)、睡眠薬(トリアゾラム)、免疫を抑制する薬(シクロスポリン、タクロリムス)などがあります。


これらの薬とグレープフルーツジュースを一緒に飲むと、グレープフルーツジュースに含まれる成分(フラノクマリン類)の働きによって、服用した薬が通常よりも多く体内に取り込まれてしまいます。

その結果として、薬の効果が強くでてしまったり、副作用が現れたりする可能性があるため注意が必要となります。

この作用はグレープフルーツジュースを飲んだ後も数日間持続するので、該当する薬を服用している間はグレープフルーツジュースを飲まないことをお勧めします。


また、グレープフルーツジュースだけでなくグレープフルーツそのものや、夏みかん、ブンタン、ハッサクなどの柑橘類も上記の薬との併用で相互作用を起こす可能性があります。

一方、レモン、ゆず、バレンシアオレンジ、温州みかんなどは相互作用を起こす可能性は低いと考えられていますが、大量に摂取するのは控えた方がいいでしょう。



その他にも、アップルジュースなどのフルーツジュースと抗アレルギー薬のフェキソフェナジン(アレグラ)を併用すると、体内へ取り込まれるフェキソフェナジンの量が減ってしまい、効果が弱くなる可能性があります。

フェキソフェナジンはアレルギー性鼻炎や花粉症、蕁麻疹の治療薬としてよく処方され、OTC医薬品としても販売されているため、服用する際にはフルーツジュースとの併用に注意してください。



(参考:『薬局の現場ですぐに役立つ 実践で学ぶ!薬物動態学』)

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