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淺沼 晋

薬とビタミン

今回は、薬とビタミンとの相互作用について取り上げたいと思います。


ビタミンには、水溶性ビタミン(ビタミンB群、C)と脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)があります。


ビタミンの中でも特に薬との相互作用で問題となるのがビタミンKです。

ビタミンKは出血を止める際の止血機構に欠かせないビタミンですが、血栓症(※)の治療薬であるワルファリンカリウム(ワーファリン)との相性が良くありません。


ワルファリンカリウムは、血栓ができやすい方に処方される血液を固まりにくくする薬で、止血機構でのビタミンKの作用を邪魔することにより効果を発揮します。

そのため、ワルファリンカリウムを服用中の方がビタミンKを多く含む食品を摂取してしまうと、ワルファリンカリウムの効果が弱くなり、血栓症のリスクが増大してしまいます。


ビタミンKを多く含む食品には、納豆や青汁、クロレラ、ほうれん草、ブロッコリーなどがあり、特に納豆、青汁、クロレラの摂取は避ける必要があります。

その他のホウレンソウやブロッコリーなども、大量に摂取してしまうとワルファリンカリウムの効果に影響を与えるため、注意が必要です。



ビタミンK以外にも、注意が必要なビタミンと薬の組み合わせとして以下のようなものがあります。


ビタミンAと角化症治療薬(エトレチナート)

⇒ビタミンA過剰症(頭痛、嘔吐、皮膚が剥げ落ちる、筋肉痛など)のような症状が現れるため併用を避ける。


ビタミンDと骨粗鬆症などの治療に用いられる活性型ビタミンD3製剤(アルファカルシドール)

⇒高カルシウム血症(倦怠感、食欲不振、筋力低下、多尿など)があらわれる可能性がある。


葉酸と抗てんかん薬(フェニトイン、プリミドン)

⇒大量の葉酸の摂取により抗てんかん薬の効果が弱まり、てんかん発作を誘発する可能性がある。



※血栓症:血管が血の塊によってつまってしまう疾患。脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓など。



(参考:『薬局の現場ですぐに役立つ 実践で学ぶ!薬物動態学』『各薬剤インタビューフォーム』)

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