本格的にスギ花粉が飛びはじめ、花粉症の方は目薬を使用する機会が増えているのではないでしょうか。
そこで、今回は目薬の1回の使用量と使用するときのポイントについて取り上げたいと思います。
目薬を1回に何滴も使用するという方は結構いらっしゃるかと思いますが、実は目薬は1回1滴で十分です。
目薬の1滴の量はおよそ50µL(0.05mL)ですが、成人が目に涙をためておける量は多い方でも30µLほどで、目薬1滴でも目からあふれてしまいます。
そのため、1回にたくさん目薬をさしてもほとんどが目から流れ出てしまい、効果が良くなるわけではありません。
また、目は鼻腔を通じて口につながっているため、あまりたくさんの量を点眼すると全身性の副作用が起こる可能性も否定できません。
以上のことから、目薬は1回1滴で使用してください。
また、2種類以上の目薬を使用する場合には、一般的に5分の間隔をあければ問題ありません。
これは、目にたまっている涙液がおよそ5分で入れ替わるためです。
ちなみに、コンタクトレンズ(特にソフトコンタクトレンズ)を使用している方は、目薬に含まれる防腐剤がコンタクトレンズの性状に影響をおよぼすことがあるため注意が必要です。
アレルギーを抑える目薬の中にはソフトコンタクトレンズを装着した状態で使用して問題ないものもあるので、花粉症シーズンに目薬を頻繁に使用するという方は医師や薬剤師に相談してみてください。
▼目薬を使用するときのポイント
●手をきれいに洗ってから
●目薬の容器の先端がまつげやまぶたにつかないように注意(容器内の目薬が雑菌などで汚染されないように)
●1回1滴
●指示された点眼回数を守る(副作用を防ぐという点でも重要)
●点眼後はまばたきをせず、目頭を軽く押さえて1分ほど目を閉じる(全身性の副作用を防ぐため)
●目からあふれた目薬はティッシュなどでやさしくふきとる
●2種類以上の目薬を使用する際は5分以上間隔をあける
●コンタクトレンズを使用している方は、コンタクトレンズの上から使用できるか要確認
●保管は直射日光を避けて涼しいところで(冷所保存のものは冷蔵庫で保管)
●開封後の使用期限は原則1ヵ月
(参考:『薬局の現場ですぐに役立つ 速習!薬局の薬理学』)
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