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淺沼 晋

小児の発熱と解熱剤

本格的な冬のシーズンとなりました。例年インフルエンザが流行する時季であり、今年は新型コロナウイルス感染症との同時流行も危惧されています。そのため、この冬は発熱に関して特に気を遣うことになりそうです。


そこで、今回は「小児の発熱と解熱剤」について取り上げたいと思います。



小児の発熱の多くは体外から侵入してきた細菌やウイルスなどから身体を守るための防御反応によるもので、かぜ症候群やインフルエンザ感染症による発熱はこれにあたります。

発熱することにより、細菌やウイルスを排除しようとする免疫機能の働きが活発になるため、発熱は身体にとって悪いことではありません。

しかし、過度の発熱は体力を消耗させて身体に負担をかけるため、そのような時には解熱剤を使用します。


小児に比較的安全に使用できる解熱剤としてアセトアミノフェン(カロナール、アンヒバ、アルピニー)があります。

小児科で処方される解熱剤の多くがアセトアミノフェンであり、市販薬(OTC医薬品)の子供用解熱剤の成分としても用いられています。

一方、メフェナム酸(ポンタール)やジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)などの解熱鎮痛剤は、インフルエンザ脳症との関連が危惧されているため通常は使用されません。


解熱剤を使用する際は38.5度以上を目安とし、ぐったりして辛そうなときにのみ使用してください。一度使ったら6時間以上は間隔をあけ、使用回数の目安は1日に2回ぐらい(多くても3回まで)にしておくのがいいでしょう。



解熱剤は感染症などの病気自体を良くするわけではありません。むしろ、熱を下げ続けると免疫機能がうまく働かず、かえって病気の治りを遅くしてしまう可能性もあるため、解熱剤は使いすぎないようにしましょう。


もし、小児が発熱によりぐったりしていて解熱剤を使用しても回復しない場合や、40度近い高熱が続く場合には早めに医療機関を受診してください。

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