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淺沼 晋

フレイル

更新日:2021年3月5日

今回は、健康寿命に関係する事柄として、高齢者の方が陥りやすいフレイルについて取り上げたいと思います。


みなさんはフレイルという言葉を聞いたことはありますか?


フレイルは、「加齢に伴う予備能力の低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」を表す“frality”を日本語にした言葉で、「高齢者が健康な状態から要介護状態に陥ってしまう過程での、筋力などの身体的機能の低下や活動性の低下、認知機能の低下、精神機能の低下がみられる状態」のことをいいます。


フレイルは健康と要介護状態の中間的な段階といえるため、フレイルを予防することや進行させないことは、要介護状態にならずに健康な状態を維持することにつながります。



フレイルの原因には低栄養や加齢に伴う身体活動の低下、社会との交流機会の減少などがあります。

原因のひとつである低栄養では、低栄養状態が続くことによって体重、筋肉量が減少し、活動性が低下します。

筋肉量が低下すると基礎代謝量も低下するため、活動性が低下することと相まってエネルギー消費が低下し、エネルギー消費が低下すると食欲が低下してさらなる低栄養へとつながってしまいます。

このような悪循環はフレイル・サイクルと呼ばれていて、フレイル・サイクルを断ち切ることは要介護状態を回避し、健康を維持することにつながります。



フレイルの予防には「栄養」「身体活動」「社会参加」の3つが特に重要です。


●栄養

栄養バランスが良くエネルギーが十分摂れる食事が重要で、タンパク質、ビタミンD、牛乳・乳製品の積極的な摂取が大切です。

口腔機能の維持のためによく噛むことや、口腔内を清潔に保つために食事後の歯磨きを行うというオーラルフレイルの予防も重要です。


●身体活動

ウォーキングやストレッチなどで身体を動かすことは、筋肉の衰えを防ぎ、食欲増進などの効果もあります。


●社会参加

趣味やボランティアなどで社会参加することは、気持ちが前向きになるなどフレイル予防に有効です。



フレイルかどうかをチェックする方法として厚生労働省から出されているフレイルチェックリスト(※下記参考のリンクに載っています)があるので、ご自身やご家族の状態を定期的にチェックしてみてはいかがでしょうか。


フレイルを予防して、人生100年時代を楽しく過ごすための健康寿命を延ばしましょう!



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